洛和会京都厚生学校
京都の山科地区に拠点を構える医療法人による、看護学校の新築計画である。
そこで学ぶ学生と、地域の人々の毎日に寄り添う建築を考えた。
学校に沿って南北方向に走る流線型の道路形状を建築の造形に積極的に取り込むことにより、北側に拡がる病院群と南側に位置する新しい看護学校をなめらかに繋いだ。道路沿いに連続する大きな開口の窓は地域の人々に学生達の学びの姿を垣間見せる一方で、御陵の山並みの眺めを、学校の内側へと運んでくれる。
やわらかい表情を見せる曲面の壁はベージュ色の煉瓦をまとっており、思い出は一つひとつの小さな煉瓦に宿り、時代を越えて残る。
「モニュメント」という言葉の原義は、「思い出させるもの」である。周囲に暮らす人々や在学生、学校を旅立った医療人にとって、常に立ち帰る場所を思い出させてくれる「モニュメント」となることを志向した。
- 竣工
- 2024年
- 用途
- 専修学校
- 延床面積
- 5,723m²
- 共同設計
- TT Architects