HOSOO FLAGSHIP STORE

京都の旧市街に立地する、染織・きもの文化を発信する拠点としての本社社屋である。
来場する人々が安心して親密に交流することのできる「サロン」としての内部空間をつくり出すため、版築塀や墨漆喰の外壁によって建築を包み込んだ。

建築の内部は周囲から隠されているが、塀の間から突然抜け開ける視界と、外壁を走り、内側へと吸い込まれていく金箔目地の流れによって、街路の歩行者は建築の内部へといざなわれる。
伝統的な景観が期待される街区において、墨漆喰や金箔、版築塀といった、京都で伝統的に使われてきたマテリアルそのものの質感によって、歴史の継承を表現することを考えた。

引きの視点においては寡黙な外観を持つ一方で、寄りの視点においては細やかなディテールや物の質感、肌触りによって、饒舌な表情が立ち現れ、「引き」と「寄り」の見えがかりの落差が感じられるよう配慮されている。

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