Production

わたしたちのつくり方

建築をつくる際、一つの建設会社に一括で施工を委託し、既製品のカタログからオプションを組み合わせて設計を行うのが一般的です。
そうした傾向に倣うのではなく、左官や鍛冶、大工、箔貼りといった個々の専門技術を持った様々な職人達と直接向き合うことで、技術や素材に眠る潜在的な質を引き出し、わたしたちは独創的な価値を生み出していきます。

20世紀初頭のオーストリアでウィーン工房は「綜合芸術」を掲げ、建築から暮らしの小さな品々まで、空間全体をデザインすることで、人の暮らしを豊かに支えようとしました。
わたしたちもまた、構造から設備、インテリア、家具に至るまで、様々な専門性を一つの「綜合芸術」として織り上げることによって、心の琴線に触れる衣のような、豊かで美しい空間をご提供します。

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金箔貼り

躯体に溶接された3mm幅のステンレス・フラットバーに、注意深く養生を行いながら、吹けば飛ぶほど繊細な金箔を手で貼り付けていく。

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研ぎ出し

白セメントと緑色をした大理石の一種である蛇紋石を混ぜてコテで塗った後、磨きあげる左官仕上げ。光沢のある研ぎ出しの質感と版築の荒々しい表情が対比をなしている。

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版築

杉板の型枠を組み、赤土、中塗り土、真砂土といった三種類の土を10cmの厚さ毎に突き固めることによってつくられる。版築を突き固めた後に型枠を外し、仕上げとして表面の吸水性を抑えるため樹脂を吹き付ける。

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墨漆喰

漆喰に墨を混ぜて塗りあげる、伝統的な左官工法のひとつ。左官塗の中でも難易度が高く、職人の技術が問われる仕上げである。

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石貼り

15cm幅に整えられた玄昌石は、床一面に敷き詰められるウィルトンカーペットの柔らかい質感を引き締めるべく据付られ、床の端部を縁取る。