連句の家

京都市の郊外に位置する、緑豊かな庭に囲まれた屋敷を改修した。家や塀、菜園や樹木、草花といった要素が組み合わさることで居心地の良さが形成されている環境を受けて、「既に存在しているものを生かす」方針で計画を考えた。
一見変哲もない切妻屋根による母屋の家形は、世代を越えて住み継いできた施主の家族にとっては、記憶の象徴でもあった。そのため切妻屋根の家形は引き継ぎながら、全面的に改修する道筋を採っている。
母屋に接続する形で、コンクリート造による平屋が先行して増築されていた。そこで、新しく改修する母屋にも平屋の空間構成を反復して適用することで、既存の平屋において経験される空間のシークエンス=韻律を屋敷全体へと行き渡るようにしている。
既存の要素を新しい文脈のなかで変形しつつ生かしていく対話の発想は、複数の人間が前句を踏まえながら後句を繋げて詠むことでひとつの句を集団制作する、松尾芭蕉による「俳諧連句」の手法に着想を得ている。
- 竣工
- 2025年
- 用途
- 住宅
- 延床面積
- 237m²
- 階数
- 地上2階
- 構造
- 木造(一部鉄骨造)
- プロジェクトチーム
- 細尾直久、加地星香、鈴木一平、鈴木清巳
- 構造設計
- bananaLab
- 施工
- 熊倉工務店
- 撮影
- 杉野圭
















